日本のDX推進の課題解決に貢献するため、AOSデータは各業種の業界動向や先進企業のデータ活用事例やDXビジネスモデルをご紹介し、DX推進の一助として頂くべく、「産業DXフォーラム」を開催しています。
会計・経理・財務分野のDX推進の基盤となる、データの保存と共有においては、電子帳簿保存法改正への対応、インボイス制度への対応、ペーパーレス化、電子契約化、クラウドシフト、リモート対応など多くの課題があり、DXによるソリューションが求められています。
産業DXフォーラム第4回目となる「会計・経理・財務DXフォーラム」では、金融分野でFintechやDXの最新ソリューションを提供しているリーディング企業より講演をいただきました。本レポートでは、各セッションの要約をご紹介します。
(1) AOSグループ代表 佐々木 隆仁
7月のクリエイティブ産業向けDXフォーラム、8月の製造業向けDXフォーラム、10月の医療DXフォーラムに続き、第4回は「会計・経理・財務DXフォーラム」として開催。DX推進の基盤となるデータの保存と共有において、電子帳簿保存法改正やインボイス制度への対応、ペーパーレス化、電子契約化、クラウドシフト、リモート対応など多くの課題を解決する、最新の金融分野のDXソリューションを紹介するフォーラムとなりました。
AOSデータ社は、会計・経理・財務DXを共に推進するDXコラボパートナーを募集し、会計・経理・財務のVDRドリブンデータ共有&ストレージ「AOS FinDX」の提供を通して日本企業の金融分野のDX推進に貢献します。
JBAグループ グループCEO 公認会計士 脇 一郎氏
企業のCFOはBS(貸借対照表)をつくる仕事、価値をつくる仕事となり、CVO(Chief Value Officer)と呼ぶ方が適切、と言われ始めています。経理や財務の業務はほぼデータ化しており、データの裏付けに基いて意思決定を行なう「データカルチャー」、データを活用し企業戦略を推進する「データ戦略」、データを分析し新たな価値を生み出す「データの活用と分析」、データへのアクセス性や信頼性をサポートする「データガバナンス」、データを資産とみなし投資とリターンを追求する「戦略資産としてのデータ」という5つの切り口で価値を付加することが期待されています。
また、AIから導き出される数値をそのまま使うのではなく、どのようなデータをAIに提供し、どのようなアルゴリズムが生成されるかをチェックする倫理リーダーシップ(Ethical Leadership)や、データの適性性をサポートすることも、データの信頼性を高めます。
(3) 「会計・経理・財務のVDRドリブンデータ共有&ストレージ AOS FinDXのご紹介」
AOSデータ株式会社 取締役 志田大輔 EFSS(エンタープライズファイル同期および共有)市場は、BFSI (銀行・金融サービス・保険)分野で注目をされ、5年間でCAGR26.3%の成長率※1で、中でもアジア太平洋が最も成長率が高い地域です。AOSデータ社はEFSS市場における日本発グローバル企業を目指しています。
会計・経理・財務データは、情報漏洩により、消費者からの信用失墜やブランドイメージ低下、風評被害、株価下落など、企業価値が下がるリスクの大きいデータです。AOSグループのリーガルテック株式会社は、国産のVDR(Virtual Data Room)の唯一の開発・販売メーカーであり、データの専門企業として、捜査機関や弁護士事務所、大手企業などの証拠データの復元調査や証拠開示等で、数多くのデータ復旧やフォレンジックを行なってきた実績があります。
AOSデータ社は、リーガルテック株式会社のVDR技術を採用し、機密性の高い会計・経理・財務データの安全な交換を可能にするVDRドリブンのセキュアなデータ共有&ストレージDXソリューション「AOS FinDX」を開発・販売しています。
「AOS FinDX」では、ファイルへのパスワード付与が不要、権限管理された安全なファイル共有、メールへの添付ファイル不要などの特徴から、脱PPAP(PPAP:メールに暗号化したファイルを添付して送信し、別メールでパスワードを送付する方式)を実現することができるほか、VDRドリブンセキュリティによる機密文書の保護や、ランサムウェアによる侵害や、自然災害によるデータ損失があった場合でも、各種の会計アプリのデータを含むバックアップデータからのデータ復旧により会計業務活動の早期再開が可能になるという、会計BCP対策の強化を行なうことが可能です。
※1:出典)Mordor Intelligence 「エンタープライズファイル同期および共有(EFSS)市場-成長、傾向、COVID-19の影響、および予測(2022年-2027年)」
https://www.mordorintelligence.com/ja/industry-reports/enterprise-file-synchronization-and-sharing-market
(4)「請求書発行システム 「請求QUICK」が実現する経理財務DXの世界」
SBIビジネス・ソリューションズ株式会社 代表取締役社長 夏川雅貴氏
請求書と入出金情報を照らし合わせて消し込みを行ない、会計ソフトへの入力を行なう経理業務の効率化に加え、請求書を買い取り早期に入金することで、中小企業の資金繰りの課題を解決する新しい運転資金調達サービス「入金QUICK」や、請求書のクレジットカード払いに対応する「クレカQUICK」サービスも提供しています。「入金QUICK」は手数料は30日間で0.5%~4%、最長で180日間、9%までの手数料で対応しており、「クレカQUICK」も業界最安値水準の手数料で提供しています。
ビジネスサーチテクノロジ株式会社や、セキュリティハウス西東京、島根エナジー株式会社などの事例も紹介され、経理部門のリモートワークを実現したデジタル化・データの効率化を実現した事例や、クレカ決済導入から、「請求QUICK」や「入金QUICK」まで活用するようになった事例などが紹介されました。
freee株式会社 金融アライアンス事業部 村田雄亮氏
また、バックオフィス業務の平準化・自動化を促進し、分散している各業務ツールのデータを自動取得・自動仕訳するため、仕訳化のルールをメンテナンスしているだけで自動化が加速し、入力業務のほとんどが不要になります。領収書も写メでとり、交際費としてデータを入れるだけで終了するため、自動仕分けも簡単になるなど、従来の分断されたバックオフィス業務の負荷が削減されます。さらに、見積り、納品書、請求書などの作成・送付、売上の入金や記帳といった一連の業務フローを最小限のステップ化し、タグ機能を用いた多角的な分析レポートにより、適切かつ早期の意思決定によるリアルタイム経営の実現に寄与します。
事例紹介では、毎月4,000件の手入力を自動化し、一気通貫の支払い管理を実現したディライト株式会社や、
4人で担当していた業務をアルバイト1人で行なえるようになり、人件費削減や経営の見える化を実現した株式会社陣屋の事例など、導入効果を上げた多くの事例が紹介されました。
今からはじめる 法改正に備えた請求書受領・処理業務の電子化とは?」
株式会社マネーフォワード 執行役員 経理本部 本部長 松岡 俊氏
請求書発行側には、発行事業者としての登録が2023年3月末までに求められるほか、請求書の変更や控えの保存義務、さらに請求書を発行していない取引の把握と対応が発生します。
受領者(仕入れ側)には、取引先の適格・非適格の管理や、請求書処理時の効率化検討、消費税区分の適切な付与等が必要となります。また、非適格事業者からの仕入れ額について控除不能額が追加費用となるため、予算上折り込むことも必要となるほか、請求書を発行していない仕入れについての対応も検討が必要となります。
株式会社マネーフォワードは、デジタルインボイスの発行から受領におけるすべてのフローに「Peppol」で対応予定です。インボイス制度を前向きにとらえ、これを契機に経理プロセスのデジタル化・クラウド化を進め、業務効率化・DX化の推進によって。結果的に経営の意思決定における、精度向上・高速化に寄与することを勧めています。