AOSデータ社、X-Techの「エドテック×AI/DXフォーラム」開催

~学習者の記憶定着支援や、非認知能力の可視化、AIアプリ開発支援事例~

クラウドデータ、システムデータ、リーガルデータ、AIデータなどのデータアセットマネジメント事業を展開するAOSデータ株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長 吉田 宣也 以下AOSデータ社)は、エドテック分野のDXおよびAI活用の推進を目的に、「エドテックxAI/DXデータフォーラム」を2024年1月25日に開催いたしました。

Edtech(エドテック)とは、Education(エデュケーション)とTechnology(技術)を組み合わせた言葉で、効率的かつ効果的な学習環境の提供や、技術的手段を用いた教育、学習・教育内容の改善、効率化、個別化を目的とした取り組みのことを指す概念です。現在急速に成長している分野であり、将来的にはより多くの技術が開発され、教育の未来に大きな影響を与えることが期待されていることを受けて、本フォーラムも熱心な視聴者のご参加をいただきました。本レポートでは、フォーラムの抄訳をお届けします。

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「エドテックxAI/DXフォーラム」では、東京工業大学名誉教授 一般社団法人 ICT CONNECT 21 会長 赤堀 侃司氏、記憶のプラットフォーム「Monoxer (モノグサ)」の開発を行なうモノグサ株式会社様、生きる力を育む成長型支援サービス「Edv Path(エデュパス)」を提供するEdv Future株式会社様、「AIアプリラーニング」サービスを提供するWillBooster株式会社様、AIを活用した英語教育サービス「スパークバディ」を提供する株式会社スピークバディ様にご登壇いただき、最先端のDX推進やAI活用の事例を発表いたしました。

 

■「Data to AI企業へ」 AOSデータ代表取締役 吉田 宣也 

データのライフサイクルマネジメントと品質向上、リスク管理の重要性の啓発を行い、日本のDX推進に貢献するため、AOSデータ社は「お客様のデータと共に」という理念のもと、各業種の先進企業のDX推進やAIデータの活用事例、リスクマネジメント事例などをご紹介する「産業DX/AIデータフォーラム」を企画しています。

AOSデータ社は、データ管理技術を以ってお客様の知的財産やデータ資産を守るプラットフォーム企業です。世の中を大きく変える力を持った、教育に関する激動が今まさに起きようとしています。そのような時代のただなかにあるからこそ教育×テクノロジーをテーマに「エドテック×AI/DXフォーラム」を開催することといたしました。

これからの世の中を良くしていく可能性を秘めたAIやDXの種を備え、AOSデータ社は、今後も業界の動向を追い、革新的なエドテック企業の登場を支援いたします。

 

■「教育データ利活用の現状と課題」

東京工業大学名誉教授 一般社団法人 ICT CONNECT 21 会長 赤堀 侃司氏 氏

東京工業大学名誉教授 一般社団法人 ICT CONNECT 21 会長 赤堀 侃司氏からは、教育データの利活用の変遷、教育データの評価の枠組み、教育データの基本的な見方などについてご講演をいただきました。教育データは科学であり、化学であるからには、結果に必ず原因があります。子どもがデータを振り返ることが、最大の効果を生むと言えます。さらに、データから内容を分析し、それを指導に生かしていくことが有用です。現場の教師の方々の中には、「データ」というと何となく冷たい印象をお持ちの方もまだまだいらっしゃいますが、データから個に応じた指導をすることが実は重要です。そして、データは総合的に判断する必要があり、またデータの見方は多様であり、将来を決定しないという考え方などが示され、好評を博しました。

 

■「AI/DXがもたらす教育現場への変化」 モノグサ株式会社 代表取締役CEO 竹内 孝太朗 氏氏

モノグサ株式会社は、“記憶をもっと容易に、より日常にすること”を使命として掲げ、AIが記憶定着をサポートする「Monoxer」というツールを展開しています。

同社の代表取締役CEO竹内氏からは、モノグサ社についてのご紹介、教育領域において資質・能力の向上におけるICTの活用余地、社会人領域において従業員教育におけるモノグサ社の取り組みなどが紹介されました。

従来は何かを記憶することは苦痛であり面倒なこととされてきましたが、AI活用によってそのストレスがなくなり、効率よく記憶することが可能になります。

学習過程サポートにおいて、機械と人間はそれぞれ得意・不得意があり、両方をうまく活用していくことが必要になります。オンライン学習を組み合わせることにより英検の合格率が飛躍的に向上したという変化も見られます。

モノグサ社のツールは、学習プロセスのうち、不足しがちな定着活動をサポートでき、ビジネス現場においてもスキルアップや資格取得率の向上などに寄与しています。AI活用による記憶の近道が示され、会場からは驚きの声が上がりました。

 

■「エドテックにData to AIエンジンを実装せよ!エドデータプラットフォーム AOS IDX」

AOSデータ株式会社 取締役 志田 大輔

AOSデータでは、エドテック業界のデータを統合管理するデータプラットフォーム「AOS IDX」(https://www.aosdata.co.jp/productline/aosidx/)を提供しています。 AOSデータの志田からは、エドテックに欠かせない核となるデータに関して、またエドテックにおけるデータプラットフォームの活用に関して講演いたしました。

エドテックを活用した事業を支えているのは、膨大なデジタルデータです。教育テック分野においては、AI活用とデータプラットフォームによって教育の質の向上とパーソナライズが企図されています。そのような課題の実現のために、「AOS IDX」を活用していただくことが有効です。「Data to AI」のコンセプトのもと、情報の安全な保護・保存・共有を可能にする「AOS IDX」によって、エドテックにおけるデータエコノミーとDXをご支援してまいります。

 

■「EQを活用した教育データ利活用と生成AIがもたらす教育現場の変容」

Edv Future株式会社 代表取締役 山崎 泰正 

Edv Future株式会社は「未来ある子供たちの情報格差をなくして、自ら意思決定できる人を増やす」というミッションを掲げています。同社の山崎泰正氏からは、1960年代にアメリカで行われた社会実験の結果を踏まえ、非認知能力の教育は人生の成功やウィルビーイングにつながっていることが示されました。同社は2021年度から昨年2023にかけて毎年3倍以上の導入数の増加を成し遂げており、40都道府県にのぼる日本全国の中学校・高校・教育委員会を支援している実績があります。さらに「学校へ行く」をDXするバーチャル空間の教室という形でのデータ利活用も紹介されました。文部科学省による学習指導要領の改訂や、受験における試験の多様化等を受けて、非認知能力を含めた評価の重要性が高まっているものの、そういった教育ができる体制とデータ化する仕組みが整えられていないなどの課題がみられます。そこでEdvPathが測定する非認知能力の指標が非常に有用です。

「個別最適な学び」のほか、生徒の個性や能力を生かし生涯の学びの土台となる「生きる力」を育んでいくために、EQを活用したデータ利活用の実例と重要性が語られました。

 

■「生成AIを活用してプログラミングや生成AIを学ぶための実習サービス」

WillBooster株式会社 代表取締役社長 東京通信大学 准教授・早稲田大学 研究院客員准教授 坂本 一憲 氏

WillBooster株式会社の坂本氏からは、「プログラミングを楽しむ人を増やす」というミッションを掲げ、生成AI時代が到来しても、プログラミングの楽しさが色褪せず、より多くの人が楽しめる世界を目指すために展開されているサービスを中心にご講演をいただきました。プログラミング学習においては、学習者(298名)の87.5%に挫折経験があるというペインポイントがみられます。それに対するソリューションとして、同社は手を動かしてアプリ開発を学べるプログラミング実習システムや、ヒントを出したり応援したりといったことが可能になるAIを実装しています。同サービスの重要な要素技術として、学習状況の可視化や、個性を考慮して応援するAIなどが紹介されました。生成AIの活用によって、プログラミング教育が従来 抱えていた課題が解決されうるということが実例と共に示され、会場の注目を集めました。

 

■「大手企業も活用する『AI英会話』 ~AI活用で実現する言語習得のパラダイムシフトとは」

株式会社スピークバディ 営業部部長 伊藤 健史 氏

株式会社スピークバディの伊藤氏からは、日本の英語学習の課題、組織における英語力強化の課題、AI活用の英会話力習得、それらの実例などを中心にご講演いただきました。同社は最新のAI技術を活用し、利用者300万人を突破している「スピークバディ」という英会話アプリケーションを展開しています。日本の英語力はアジア最下位レベルと言われており、従来の英語学習は見直しを迫られています。教室での学びは、練習量を増やしにくく、個人に合った効果的な練習ができないことなどから限界があります

また英語学習は教育現場だけでなく、ビジネス現場でも重要性を増しています。日本の人口減や円安、外国人雇用の増加、インバウンド需要などを受けて、海外事業がより重要になり、組織のグローバル化が進み、外国人対応も増加しているためです。

AI英会話は、①手軽、②低コスト、③効果的、④心理的不安が生じずストレスフリーといった特長をもつことから、従来の学習の持つ「4つの壁」を克服することが可能です。AI時代の言語習得は「人間との学習」から「AIとの学習」へ、時代が移り変わりゆくことが実例を以って示されました。

 

■「ビジネスアイデアを簡単に特許に!生成AIが変える産業の未来」

Tokkyo.Ai株式会社 取締役COO 平井 智之 氏

Tokkyo.Ai株式会社 平井からは、EdTech分野の特許から見えるトレンドと特許生成AIの活用方法を中心に講演がなされました。世界のEdTech市場規模は、約34.9兆円になると予測されています。エドテックによって解決が期待される課題としては、居住地域・経済格差による教育格差の解消、グローバル人材の育成、教師と生徒とのコミュニケーション促進などが挙げられます。

またエドテック分野における各国の特許出願状況やその傾向分析が紹介されました。

さらに実例としてアメリカのエドテック企業「duolingo」の特許を分析した内容を交えながら、エドテックと特許の親和性について語られました。

Tokkyo.Aiの「プライベート特許検索®」を活用すると、AIでアイデアを即文案に、即AI調査ができ、アイデアを権利化する際のコミュニケーションコストを大幅に削減することが可能です。

また企業戦略に直結するセンシティブな「特許調査データ」を社外に出さない専用の” “プライベート環境を提供することができます。さらに低コスト・高効率な独自のビッグデータ処理技術を備え、大量のデータを短時間に処理することが可能になっています。AIアシスタントを使って自社の特許戦略を強化することが、エドテック分野においてもビジネスを支援・促進する上で非常に有効であることが示されました。


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