AOSデータ社、X-Techの「クリーンテック×AI/DXフォーラム」開催

最新クリーンテックDX事例、AI活用からみる日本のサーキュラーエコノミーの現在地

クラウドデータ、システムデータ、リーガルデータ、AIデータなどのデータアセットマネジメント事業を展開するAOSデータ株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長 春山 洋 以下AOSデータ社)は、クリーンテック分野のDXおよびAI活用の推進を目的に、「クリーンテックxAI/DXデータフォーラム」を2023年12月7日に開催いたしました。

Cleantech(クリーンテック)とは、Clean(クリーン)とTechnology(技術)を組み合わせた言葉で、再生不能資源を使用しない、または消費量を減らすことなどにより、環境への影響を最小限に抑え、持続可能な社会を実現するための技術やイノベーションを指す概念です。世界的にSDGsや環境保護の重要性が増している昨今において、本フォーラムも熱心な視聴者のご参加をいただきました。本レポートでは、フォーラムの抄訳をお届けします。

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 「クリーンテックxAI/DXフォーラム」では、東北電力株式会社 事業創出部門 アドバイザーの出馬弘昭氏、気候変動の課題にエネルギーマネジメントシステム等で取り組み、2022 APAC Cleantech 25 listに選出されたアークエルテクノロジーズ株式会社様、一般社団法人資源循環推進協議会を創設された株式会社TBM様、環境経営・サステナビリティ経営分野に専門特化したコンサルティングファームである株式会社ブライトイノベーション様などにご登壇いただき、最先端のDX推進やAI活用の事例を発表いたしました。

 

■「Data to AI企業へ」 AOSグループ代表 佐々木 隆仁

データのライフサイクルマネジメントと品質向上、リスク管理の重要性の啓発を行い、日本のDX推進に貢献するため、AOSデータ社は「お客様のデータと共に」という理念のもと、各業種の先進企業のDX推進やAIデータの活用事例、リスクマネジメント事例などをご紹介する「産業DX/AIデータフォーラム」を企画しています。

2023年11月には「クリーンテックカオスマップ2023版」(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000326.000040956.html )を発表いたしました。地球規模で環境問題が深刻化するなか、環境に優しい技術やイノベーションを意味するクリーンテックが注目を集めています。クリーンテック産業には、持続可能な社会を実現し、また環境保護に貢献することが期待されています。

AOSデータ社は、今後も業界の動向を追い、革新的なクリーンテック企業の登場を支援いたします。

 

■「シリコンバレーに学ぶグローバルクリーンテックと日本の現在地」

東北電力株式会社 事業創出部門 アドバイザー 大阪大学フォーサイト株式会社 取締役、VP 出馬 弘昭 氏

東北電力株式会社 事業創出部門アドバイザーであり、大阪大学フォーサイト株式会社 取締役である出馬弘昭氏からは、脱炭素イノベーションのメッカともいわれるシリコンバレーの動向を中心に、グローバルクリーンテックと日本の現在地という観点からご講演をいただきました。世界のスタートアップが集結するシリコンバレーをみれば、日本の数年先の姿がわかります。クリーンテックの歴史を概観すると、2002年にシリコンバレーを中心に脱炭素系スタートアップが登場、2003年テスラ創業、2009年にはハードウェア系を中心とした第一次クリーンテックブームが到来しました。しかしIoT分野と比してハードウェア領域はスケールしにくいことなどから、2011年頃に投資が減少、クリーンテック投資は冬の時代を迎えます。AIやデータ分析などIT技術がエネルギー業界にも入ってくることで、2016年頃から冬の時代を乗り越えて第二次クリーンテックブームに突入、2022年頃からクリーンテックバブルが到来、ソフトウェアだけでは脱炭素できないことからハードウェアが復権し、グリーン水素、CCS、長期貯蔵などが業界トレンドとして注目を浴びています。世界のエネルギー企業大手は、未来をつくるスタートアップへの出資、協業、あるいはM&Aなどをおこない、エネルギーからデジタルへ収益の比重を移行する動きも見られます。

そのほか日本のエネルギー六社による世界のスタートアップへの出資状況や、世界の有望なクリーンテック企業のベスト100社であるGCT100についての分析も展開され、好評を博しました。

 

■「アークエルテクノロジーズが目指すカーボンニュートラルの社会実装」

アークエルテクノロジーズ株式会社 シニアマネージャー 石﨑 正宏 氏

アークエルテクノロジーズ株式会社 石﨑正宏氏からは、「デジタルイノベーションで脱炭素化社会を実現する」という企業パーパスのもと、同社が展開するクリーンテック関連ソリューションが紹介されました。

同社代表取締役である宮脇良二氏がコンサルティング企業出身であることから、GX事業創出コンサルティングを手掛けています。またソフトウェアに関しては、社員の半数以上をエンジニアで占めることなどによってシステム開発・提供を内製化し、スピーディーかつ柔軟な対応に強みをもつビジネスモデルを可能にしています。本フォーラムでは、国内大手企業やエネルギー会社との実証を通して開発された同社の主力ソフトウェアサービスとして、次の3つが紹介されました。まずGHG排出量削減シミュレーションツールである「eCarbon」、次に複数台のEV所有を推進する企業および自治体等を対象にEV充電を管理する仕組みを提供する「eFleet」、そして変動型再生可能エネルギー(VRE)の余剰電力の有効活用を目的としてAIにより自律分散型で電気機器を制御、ラストワンマイル向けのEMSを提供する「エネルギーマネジメント」の3つです。

このような取組などが評価され、Cleantech Groupが主催するAPAC Cleantech 25において、アジア太平洋地域の重要25社に選出されるなど国内外で高く評価され、2022年度Energy & Power領域において日本から唯一のリスト入りを果たしました。

 

■「クリーンテックにData to AIエンジンを実装せよ!クリーンデータプラットフォーム AOS IDX」

AOSデータ株式会社 取締役 志田 大輔

AOSデータでは、クリーンテック業界のデータを統合管理するデータプラットフォーム「AOS IDX」(https://www.aosdata.co.jp/productline/aosidx/)を提供しています。 AOSデータの志田からは、クリーンテックに欠かせない核となるデータに関して、またクリーンテックにおけるデータプラットフォームの活用に関して講演いたしました。

クリーンテック業界では、エネルギーの効率化、再生可能エネルギーの利用、排出物の削減、資源の循環利用などを通じて、環境負荷の軽減を目指しています。このようなクリーンテックを活用した事業を支えているのは、膨大なデジタルデータです。我々人類が未来永劫この地球で幸福に暮らし続けるために不可欠な環境産業を、クリーンデータ活用によってさらに躍進させるために、「AOS IDX」を活用していただくことが有効です。「Data to AI」のコンセプトのもと、情報の安全な保護・保存・共有を可能にする「AOS IDX」によって、クリーンテックにおけるデータエコノミーとDXをご支援してまいります。

 

■「リサイクル生産現場のデジタイズとトレーサビリティ」

株式会社ブライトイノベーション 環境DXチームマネージャー 川地 茂 氏

株式会社ブライトイノベーションの川地茂氏からは、循環経済(サーキュラーエコノミー)の観点から重要性が高まる資源や不要物処理の領域、そのなかでも特に足元の現場の取組を中心にご講演いただきました。まず静脈産業でのデータ管理に対する要請の高まりについて紹介されました。世界各国で考え方や単位、各用語の定義などが異なる現状がありますが、デジタル技術活用への期待の高まりを受けて、2020年代中頃を目途に動静脈がデータで繋がる世界の実現に向けた法制度整備・国際標準化・基盤整備が進んでいます。

また静脈産業現場の現状としては、紙とExcel等で管理している現場が多いために、すぐにデータ連携できる状態ではなく、デジタイズのレベルから下地を整備していく必要性が高まってきています。

さらに生産現場のデジタイズとトレーサビリティ データ収集の取組みなどについては、生産性を向上する目的でデジタイズのツールを現場に投入すること、デジタイズの結果としてトレーサビリティ データも蓄積される設計にすることの必要性が指摘され、まずは地道なデジタイズから最初の一方を踏み出すことの重要性が語られました。

 

■「TBMが推進する再生材活用の現在と将来~再生材調達のデジタル化×デジタル製品パスポート~」 

株式会社TBM 資源循環イノベーション部 サーキュラーエコノミーアクセラレーター 五十嵐一樹 氏

株式会社TBM五十嵐一樹氏からは、 再生材活用の現在と将来や、環境分野でのデジタル/データ活用などを中心にご講演をいただきました。

独自技術を活用してエコロジーとエコノミーを両立する石灰石を主原料とした新素材「LIMEX」は、国内1万社以上が導入、海外展開も加速しています。プラスチック代替として石油資源の使用量削減や温室効果ガスの排出抑制などの効果が見込まれ、紙代替としては水の利用量削減やプラ代替用途へのリサイクルが可能である点などが期待されます。また資源循環の促進に向けて、リサイクルプラントを中心にマテリアルリサイクルの取組に挑戦しています。さらに再生材50%以上を含む素材ブランド「CirculeX」を展開し、「ゴミからよみがえるゴミ袋」や再生材料を使用した傘「サステナブレラ」などを展開しています。そのほか従業員参加型の資源循環サービス「MaaR for Business」、環境に配慮された製品を取り扱うEC事業「ZAIMA」、温室効果ガス排出量算定/削減プラットフォーム「ScopeX」、LIMEXやCirculeXなど環境配慮素材開発を促進するマテリアルズ・インフォマティクス(MI)の活用などについて紹介されました。

 

■「ビジネスアイデアを簡単に特許に!生成AIが変える産業の未来」

Tokkyo.Ai株式会社 取締役COO 平井 智之 氏

Tokkyo.Ai株式会社 平井氏からは、特許戦略や技術・発明の権利化におけるAI活用を中心に講演いただきました。クリーンテック産業における特許戦略の好例として、自動運転やクリーンテックの先進企業としても知られるTesla社の動向が紹介され、会場の注目を集めました。発明や技術を特許として権利化することで、他社の模倣を防ぎ長期的なビジネスプランを立てやすくなるほか、事業提携やM&A、投資などの局面においても好材料となりえます。特許すなわち競争力と言っても過言ではないほどその重要性は増していますが、一方で特許出願には費用と時間が嵩むことがネックであるとされてきました。そこでTokkyo.Aiの「プライベート特許検索®」を活用すると、スピーディーかつリーズナブルに、特許権利化・戦略策定が可能になります。特許に慣れていない方でも簡単に、生成AIで特許文案を作成、AI活用で類似特許を検索・調査、さらに検索結果をパテントマップなどで分析できることがデモンストレーションで示され、好評を博しました。「プライベート特許検索®」は、AIアシスタントによる特許戦略サポート・業務効率化をご提供することで、クリーンテック技術・産業を支援し、持続可能な地球の未来に貢献してまいります。


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